脊椎・腰痛治療|羽島市岐阜羽島駅の整形外科|羽島整形外科・皮膚科
脊椎について

脊椎は頚椎・胸椎・腰椎・仙椎・尾椎から構成され、人体の中心的な支持構造であり、脊髄や神経根を保護する重要な役割を担っています。脊椎に障害が生じると、局所の痛みだけでなく、しびれ、運動障害、感覚障害、排尿・排便障害など、生活の質に大きな影響を及ぼすことがあります。そのため、脊椎疾患に対する治療は、症状の程度・原因・進行度に応じて、保存療法から外科的治療まで多様なアプローチが取られています。
脊椎疾患の主な原因と種類
脊椎に異常をきたす原因は多岐にわたります。代表的なものには以下があります。
変性疾患
加齢に伴う椎間板変性、骨棘形成、靭帯肥厚など。腰椎椎間板ヘルニアや頚椎症性脊髄症、腰部脊柱管狭窄症などが含まれます。
外傷
交通事故や転倒による骨折、脱臼。
側弯症・後弯症
成長期や加齢に伴う脊椎の変形。
腫瘍性疾患
脊椎原発腫瘍や転移性脊椎腫瘍。
感染症
化膿性脊椎炎、結核性脊椎炎など。
※原因に応じて治療方針が大きく変わるため、正確な診断が最も重要です。
脊椎疾患の治療方法
保存療法(非手術的治療)
多くの脊椎疾患はまず保存療法から開始されます。以下が代表的な方法です。
薬物療法
- 鎮痛薬
炎症を抑え、痛みを軽減します。
- 筋弛緩薬
筋緊張を和らげることで痛みを改善します。
- 神経障害性疼痛薬
しびれや神経痛が強い場合に使用されます。
- ステロイド注射
強い炎症や神経圧迫による痛みに対して、一時的に強い効果を発揮します。
理学療法
- 温熱療法
血流改善と筋緊張緩和。
- 電気刺激療法
疼痛緩和や筋肉の収縮改善。
- 牽引療法
椎間板や神経根への圧迫を軽減。
運動療法・リハビリ
- ストレッチや体幹筋トレーニング
脊椎を支える筋肉を強化し、再発予防。
- 姿勢指導
長時間の前屈姿勢や不良姿勢の改善。
装具療法
コルセットや装具を用いて安静を保ち、骨折や不安定性をサポートします。
保存療法は多くの場合、数週間から数カ月続けられ、効果が見られれば手術を避けることが可能です。
手術療法
保存療法で改善が乏しい場合や、重度の神経障害が進行する場合には手術が検討されます。手術は疾患の種類や部位に応じて方法が選択されます。
椎間板ヘルニア
- ヘルニア摘出術(LOVE法など)
突出した椎間板を切除して神経の圧迫を解除します。
- 内視鏡下手術
小さな切開で低侵襲に行う方法で、入院期間が短いのが特徴です。
脊柱管狭窄症
- 椎弓切除術
狭窄部の骨や靭帯を切除し、神経の圧迫を解除。
- 椎弓形成術
骨を温存しつつ、神経のスペースを広げる方法。
脊椎すべり症・不安定性
- 脊椎固定術
スクリューやロッドを用いて不安定な椎体を固定し、安定化を図ります。
外傷や腫瘍
- 骨折整復固定術
骨折部を金属で固定。
- 腫瘍摘出術や放射線治療併用
腫瘍による圧迫を解除しつつ全身治療を行います。
手術は症状改善の効果が大きい反面、感染・再発・神経損傷などのリスクもあるため、適応判断が重要です。
日常生活での管理と再発予防
治療後の生活習慣改善は再発予防に極めて重要です。
- 正しい姿勢を保つ
- 体幹筋を鍛える運動習慣
- 適正体重の維持
- 長時間の同一姿勢を避ける
- 骨粗鬆症予防(カルシウム・ビタミンD摂取、運動)
これらを実践することで、再び脊椎に負担がかかるのを防ぎます。
脊椎疾患の治療は、まず保存療法を基本とし、必要に応じて手術療法を行う段階的アプローチが一般的です。保存療法で改善するケースも多いため、焦らずリハビリや生活改善を続けることが大切です。
腰痛について
腰痛の多くは、腰椎に負担がかかることで発症しますが、様々な病気が背景になっていることもあります。成長に伴って起こるもの(側弯症、腰椎分離症、先天異常など)、加齢によって起こるもの(椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、変性すべり症など)、腰椎の骨折や脱臼などの外傷、感染や炎症によるもの(カリエスや化膿性脊椎炎など)、転移癌などの腫瘍によるものなどがあります。精神的なストレスによるものもあります。安静にしていても痛みが軽くならない、あるいは悪化する、発熱がある、足がしびれたり力が入らなかったりなどの症状を伴っている場合は、放置せずに整形外科の受診をお勧めします。
腰痛の原因
腰痛は大きく「特異的腰痛」と「非特異的腰痛」に分けられます。
特異的腰痛
- 原因が明確に特定できる腰痛(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、圧迫骨折、感染、腫瘍など)
- 治療は原因疾患への対処が中心
非特異的腰痛
- 明確な器質的異常が見つからない腰痛
- 筋肉の緊張、姿勢不良、精神的ストレスなどが関与
- 日本人の腰痛の約8〜9割がこれに該当
腰痛の治療方法
腰痛治療は大きく以下に分かれます。
保存療法(まず最初に行う)
特に非特異的腰痛や軽度の椎間板ヘルニアなど、多くは保存療法で改善が期待できます。
薬物療法
- NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)で炎症と痛みを抑える
- 筋弛緩薬で筋肉の緊張を和らげる
- 慢性痛には抗うつ薬や神経障害性疼痛薬を併用する場合もある
理学療法
- 温熱療法や低周波治療で血流改善
- ストレッチ、筋力トレーニングで腰椎周囲の安定性を高める
- 正しい姿勢や動作指導を行う
装具療法
- コルセットで一時的に腰を固定し負担を減らす
- 長期使用は筋力低下を招くため、必要最小限に
生活習慣の改善
腰痛の再発予防には日常生活での姿勢や動きの見直しが欠かせません。
姿勢改善
- 長時間の前かがみや猫背を避ける
- 椅子に座るときは背もたれを活用し、骨盤を立てる
運動習慣
- ウォーキングや水中運動で腰に負担をかけずに全身を動かす
- 体幹トレーニング(プランク、ドローインなど)で腰椎を支える筋肉を強化
体重管理
物の持ち上げ方
- 腰を曲げず、膝を曲げて持ち上げる
- 体をねじりながら持ち上げない
心理社会的要因へのアプローチ
慢性腰痛では、ストレスや不安、うつ症状が痛みの慢性化に関与します。
- 認知行動療法で「痛みの恐怖」に対処
- リラクゼーションやマインドフルネスで緊張を和らげる
介入的治療(保存療法で改善しない場合)
神経ブロック注射
痛みの原因となる神経周囲に局所麻酔やステロイドを注射し、痛みを和らげる。
椎間板内治療
椎間板ヘルニアや変性に対して、内圧を下げる治療を行う。
外科的治療(手術)
保存療法で症状が改善せず、日常生活に支障をきたす場合や神経麻痺が進行する場合に行います。
適応疾患
- 重度の椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 圧迫骨折の一部
- 脊椎すべり症など
主な術式
慢性化を防ぐポイント
腰痛は一度よくなっても再発しやすいため、次の点が重要です。
- 痛みが軽くなっても運動を継続する
- 姿勢の習慣を見直す
- 体幹筋を日常的に鍛える
- 無理な動作を避ける
腰痛治療は、まず原因の鑑別を行い、多くは保存療法から始めます。急性期は無理を避け、慢性期は積極的な運動療法や生活改善を行うことが再発予防につながります。また、心理的な要因や生活習慣病との関連にも配慮し、総合的な治療アプローチが求められます。